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教育業界で活かせるスキル―コーチング

  公開日:2018/02/01
最終更新日:2018/09/28

※この記事は約6分で読めます。

こんにちは、武井です。

教育業界への転職を目指す場合、どんなスキルが必須になるでしょうか?

教職の免許?
塾講師や家庭教師の経験?
トークの技術?

どれもあって損はないスキル・資格ではありますが、いわゆる「コミュニケーション・スキル」というものが、特に教育業界では重要です。

生徒に英語や数学など、勉強を教えるとき、進路指導をするとき、あるいは、相談を受けアドバイスをするとき、コミュニケーションスキルの高さはとても大切になってくるんです。

四谷学院の場合、進路指導等を含めた「担任指導」は、コーチング理論に基づいて行ないます。

では、コーチングとはどんなものでしょうか?

コーチングとは

コーチングとは、このように定義されます。
「人のやる気や能力を自発的に引き出すためのコミュニケーション技術」

ただ教える、ただアドバイスするのでは十分ではありません。
相手に伝わること、そしてそれによって自発的に行動できること
そこまでもっていく必要があります。

コーチング理論の原則

では、具体的にコーチング理論に則ったコミュニケーション技術をみていきましょう。
コーチングは、大きく3つのスキルに分けられます。

<コーチングの3大スキル>
1.「傾聴」
2.「質問」
3.「承認」

コーチングの3大スキル「傾聴」

1つ目が「傾聴」というスキルです。
簡単に言えば、「とにかく聴く!」ということです。

「傾聴」は、カウンセリングでもよく聞く言葉ですね。
コーチングでは、途中でさえぎらず話をよく聴く、そして話の全体を把握して、相手の気持ちの受容や共感をします。
それにより、自主的な問題解決や成長を促進していきます。

生徒と心と心が通じ合い、互いを信頼して受け入れられる理想的な関係を築くために行っていきます。

心理学用語では、この信頼関係を「ラポール」と呼びますが、このラポールの関係になって初めて、本音を語ってもらうことができるわけです。つまり、コーチングができるスタートラインに立つ、ということですね。

「傾聴」のためのちょっとした裏技

「ミラーリング」
さりげなく相手のしぐさや姿勢を真似る

「ペーシング」
相手のペース、たとえば話しのスピード、リズム、声の大小やトーンを合わせる

「バックトラッキング」
相手の話をくり返す(事実を返したり、相手の感情を返したり、話の内容を要約して返すなど)

コーチングの3大スキル「質問」

2つ目は「質問」というスキルです。
コーチングとは「相手の本音」や「気付き」を引き出す技術です。情報を得るために質問するワケではありません。
担任の先生やそれこそコーチ、監督に
「お前は・・・だから・・・をがんばれ!」
と一方的に言われるよりも、何かヒントやきっかけがあって
「ワタシは・・・だから・・・をがんばろう!」
自分で気が付くことで、自立的に改善行動につなげていけます。

四谷学院で担任が行うことは、
「生徒の頭の中を一緒に整理していく」
ということになるかと思います。

「勉強しなさい!」
「今、やろうと思っていたのに・・・」
ではなくて、
「キミの今、やるべきことはなんだと思いますか?」
「あっ・・・古文が苦手なので文法の復習をします」
となれば、成功なわけです。
(こんなにうまくは行かないですが)

質問の種類

「クローズド質問」
YesかNoで答えられる質問
 例:「英語と数学のクラス授業を受けていますね」

「オープン質問」
自分で考えないと答えが出ないもの(5W1H)
 例:「クラス授業を実際に受けてみた感想は?」
 例:「いつから●●を始める予定ですか?」

「過去質問」
過去についての質問
 例:「去年、早稲田大学に合格できなかった理由は何?」

「未来質問」
未来についての質問
 例:「来年、早稲田大学に受かったら、友達はどんな感想を持つでしょうか?」

「肯定質問」
肯定文「●●できる」を使った質問。
 例:「目標通り進めるためには、まず何からすれば良いと思いますか?」

「否定質問」
否定文「●●できない」を使った質問。
 例:「なんで目標通り進まないと思いますか?」

コーチングの3大スキル「承認」

最後、3つ目のスキルは「承認」です。

相手の考えや発言、あるいは行動を認め、褒めて、「いいね」と支持することです。

生徒がしている勉強の工夫、高い意識、継続できていることなど、「望ましい行動」が対象となります。
たとえ本人はそうと気づいていないことでも、それを承認という形で気づかせてあげます。

「君のやっていることは正しい」
このように相手を肯定し、承認することで、生徒はモチベーションを高めます。
そして、それらの「望ましい行動」を強化し、繰り返し、積み重ねることで、大学合格という目標を達成することにつなげます。

ちなみに、普段のあいさつも、一つの「承認」です。
四谷学院の受付は生徒が目の前を通るたびに、全員にあいさつをしていきます。

「こんにちは」(今日も予備校に来たね)
「お疲れ様」 (しっかり勉強できたね)
「行ってらっしゃい」(自習室あるいは授業に行くんだね)

『キミがココにいることを、私たちは知っているよ』
あいさつそのもののが承認という行動なのです。

赤字、承認=褒める、ではない。

具体的な声かけの中に「えらいね」など、いわゆる褒め言葉はないことに気づくと思います。「承認」とは、「あるがままを認めること」ですから、ムリに「すごい、えらい」などの言葉は使いません。
「毎日欠かさず、自習室に来ているね」
「模擬試験の結果が10点も上がったね」
いずれも事実だけの表現です。しかし、褒める内容となっています。

まとめ

コーチングはコミュニケーションスキルの1つです。残念ながら、万能ではありません。
しかし、こういったコーチング理論を学ぶことを通して、どのように生徒と接していくべきか、どんな風にアドバイスができるか、自分自身の成長の糧にしていくことができます。

スキルがある、ということ自体よりも、
スキルの重要性をよく理解し、それらを活用すべく身につけようとする
という姿勢がとても重要であると考えます。

四谷学院では、社員研修にコーチング研修を取り入れています。
初めて担任業務につく方でも、安心していただけます。

ご興味をもっていただいた方は、ぜひブレーンバンクのホームページをご覧ください。

ブレーンバンク採用ホームページ

 

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